トヨタ自動車が、資本提携先である富士重工業の米国工場(インディアナ州)で、トヨタ車を2007年以降に年10万台規模で生産委託する方向で両社が調整していることが25日分かった。具体的な提携策の第1弾として年内に合意する見通し。
生産車種では、米市場で人気が高く、他工場での生産がフル稼働状態となっている中型セダン「カムリ」が有力。スポーツタイプ多目的車(SUV)など今後複数の車種に拡大する可能性もある。
富士重工の米工場は、03年にいすゞ自動車と合弁を解消したためスペースに余裕があり、トヨタ車の生産を受託することで稼働率が高まる利点がある。
トヨタと富士重工は10月に資本提携して以来、生産と開発面での協力を探るため、両社の担当者から成るワーキンググループを設置して詳細な検討を重ねてきた。
生産委託以外では新型乗用車の共同開発なども議題に上っているほか、富士重工側は、欧州向けの小型車について、トヨタからのOEM(相手先ブランドによる生産)供給などを提案しているもようだ。(共同)
(11/25 13:31)
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まぁ、順当な投資でしょう。
私見では、カムリかハリアーかと踏んでいましたが。
北米最大の収益源カムリを選んできたのは、リスクヘッジが効く車種であり、生産性が上がれば、
全体の収益も上がるわけですね。
地域は北米ベースで展開との記事にありますが、世界的に汎用性の効く車種はある意味、
"生産と兵站"を押さえる賢明な選択であると今のところ考えています。
小型セグメントで欧州を押さえる動きを取るであろうから、増産体制もすでに調整済みと考えられる。
一方、中国(南部)戦線の生産高を見ながら、順次カムリ、またその他の車種を送り込む事も視野に入れているかもしれない。(中国国内で増産に対応できなくなった場合)
中国戦線は、シェアの勝負になってきており、持久戦は消耗戦へとシフトしており、ホンダ、VW、日産等を筆頭に欧州勢、米勢、民族系が混戦しており、シェアが一定に定まることが困難であろう。
今後トップ企業が、世界的に展開するには、優れた生産・兵站部隊が急務の中で、富士重は親会社の中でどう展開していくか、試練の始まりである。
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米富士重でカムリ生産 トヨタ、07年から
http://www.chunichi.co.jp/00/kei/20051125/mng_____kei_____000.shtml
トヨタ自動車は24日、資本提携した富士重工業の米生産子会社「スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ(SIA)」(インディアナ州)に主力の中型セダン「カムリ」を生産委託する方針を固めた。2007年から年間10万台規模で生産する。10月に両社が提携して以来、最初の具体的な共同事業となる。トヨタは今月中にも正式決定し、富士重側に打診する。
トヨタがグループ以外の他社に車両生産を委託するのは初めて。
カムリは米国市場で年間約40万台売れており、3年連続でベストセラーカーに輝いたトヨタの北米最大の収益源。米ケンタッキー工場(ケンタッキー州)で現地生産しているが、最近のガソリン高を背景に販売が大きく伸び、フル稼働の状態が続いている。
同工場では来年からガソリンエンジンと電気モーターを併用する「カムリ」のハイブリッド車の生産を始める予定で、生産現場の繁忙感が一段と強まる見込み。トヨタはケンタッキーで生産する一部をSIAに移管することで将来の増産に備えるとともに、生産能力を弾力化させる。また、両工場は地理的に近く、部品供給が容易に行える利点もある。
トヨタ社内では当初、生産委託する車種について小型車やSUV(スポーツ用多目的車)などを候補に検討を進めていたが、ガソリン高が今後も続き、米消費者の需要が燃費性能に優れた乗用車に向かうと判断。「米国で既に生産していて、人気のある車種」(トヨタ幹部)として「カムリ」を選ぶ方針を固めた。
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トヨタ、富士重工に生産委託へ 米で年10万台規模
2005年11月23日06時03分
http://www.asahi.com/business/update/1123/011.html
資本提携したトヨタ自動車と富士重工業は、富士重の米国工場にトヨタ専用ラインを設け、07年から生産することで合意する見通しになった。トヨタの渡辺捷昭社長と富士重の竹中恭二社長が12月5日に提携後初めて会談し、大枠を確認する。
トヨタ専用ラインは、富士重が全額出資する米国生産会社SIA(インディアナ州)に設ける。トヨタはSIAに資本参加せず、富士重に委託する形で07年から生産を始める。生産車種は5〜6の候補があり、徐々に車種を広げ、年10万台規模の生産を目指す。
SIAは富士重といすゞ自動車が合弁で経営してきたが、02年末の合弁解消後は富士重の単独運営となり、塗装工程などに余剰設備を抱えていた。トヨタは投資負担を抑えた生産能力の拡張が急務になっていた。
トヨタ、中国で本格攻勢 カムリ生産販売網を整備
http://www.chunichi.co.jp/00/thk/20051124/ftu_____thk_____005.shtml
トヨタ自動車の“中国南部プロジェクト”が本格的に始まった。来年半ばから広州市で生産開始する中型セダン「カムリ」の販売網をつくり、22日にはカムリに搭載するエンジン工場の開所式も行った。トヨタは中国北部で行う第一汽車グループ(一汽)との合弁事業と合わせて、2010年までに市場占有率(シェア)10%を目指す体制が整った。 (新貝憲弘)
広州市の地元メーカー、広州汽車グループ(広汽)と合弁生産するカムリは、両社が設立した「広州トヨタ自動車」が中国全土で整備する117店舗で販売する。中国では合弁相手ごとに販売系列を設けることが定められており、トヨタは一汽と構築した190店舗と、高級車ブランド「レクサス」を扱う8店舗を中国で展開している。このため広汽系列を加えると300店舗超となり、先行するホンダに匹敵する販売体制が整う。
販売と並ぶ柱である生産面でも攻めに出る。来年半ばに稼働する広州工場は当初年間10万台だが、その後20万台まで引き上げる見通し。このほか2007年に北部で天津第3工場を新設するなど中国での生産能力は50万台規模に達する見込みだ。
生産車種も今年3月に高級車「クラウン」、10月に同「レイツ(日本名マークX)」、12月にガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車「プリウス」と相次いで投入、来年のカムリで9車種となる。
車種と生産量の拡大に伴い販売も好調。自動車調査会社「フォーイン」(名古屋市)によると、今年1−9月のメーカー別乗用車販売では一汽と合弁する「天津トヨタ自動車」が10位に浮上。年間販売台数も前年比54%増の17万9000台となる見込みで、昨年2・2%だった市場占有率も4%ほどまで伸びそうだ。
しかし、競合他社の攻勢も激しい。先行するホンダは広汽と合弁生産する中型セダン「アコード」、小型車「フィット」が好調。日産自動車も東風汽車グループとの合弁生産で中型セダン「ティアナ」、小型車「ティーダ」を相次いで投入しており、いずれもトヨタより上位にある。
加えて今夏以降、独フォルクスワーゲン(VW)と上海汽車グループの合弁会社や国産メーカーなど各社が販売価格を引き下げた。中国メディアは商用車を含めた今年の販売台数が550万台規模に対し、生産能力は800万台あると指摘しており、過剰設備や値下げ競争による収益の圧迫も予想される。トヨタ幹部は「中国市場は体力勝負になる」と長期戦の構えで取り組む方針だ。